事務員 採用 難しいと感じる中小企業では、採用だけにこだわらず、社内分担や事務代行・業務委託も含めて比較することが重要です。事務業務を安定して回す方法は、採用だけではありません。
中小企業では、事務員に幅広い業務を任せたいケースが多くあります。請求書作成、入金確認、経費精算、書類整理、電話対応、備品管理、営業サポート。会社の裏側を支える業務です。
しかし、求人を出しても応募が集まりにくい、条件が合わない、採用しても教育に時間がかかる。こうした課題があります。
事務員の採用が難しいときは、次の3つの選択肢を比較しましょう。
- 事務員を採用する
- 業務を整理して社内で分担する
- 事務代行・業務委託を活用する
それぞれにメリットと注意点があります。自社の業務量、緊急度、予算、管理体制に合わせて選ぶことが大切です。
事務員の採用が難しい理由
事務員の採用が難しい理由は、人手不足に加えて、求職者の希望条件と企業側の期待に差が出やすいためです。特に中小企業では、業務範囲が広くなりやすく、求人内容が伝わりにくいことがあります。
よくある理由は、次の通りです。
- 応募数が少ない
- 勤務時間や給与条件が合わない
- 業務範囲が広く見える
- 出社前提の求人に応募が集まりにくい
- 教育体制が伝わりにくい
- 採用後の定着に不安がある
事務職を希望する人の中には、時短勤務、在宅勤務、扶養内勤務などを希望する人もいます。一方で、企業側は「出社して幅広く対応してほしい」と考えることがあります。
また、「事務全般」と書かれた求人は、求職者にとって業務内容が見えにくいものです。どこまで任されるのか分からない。専門知識が必要なのか分からない。こうした不安が応募のハードルになります。
事務員採用にこだわりすぎるリスク
事務員採用にこだわりすぎると、採用までの期間に社内の負担が増え、業務改善が後回しになることがあります。採用活動と同時に、今ある業務の整理も進めることが重要です。
採用まで業務負担が続く
求人を出しても、すぐに採用できるとは限りません。応募が少ない場合、条件の見直しや再募集が必要になります。その間も、請求書作成や書類整理などの事務作業は発生します。
採用後の教育に時間がかかる
事務員を採用しても、すぐにすべてを任せられるわけではありません。会社ごとのルール、取引先ごとの対応、使用ツール、書類の保管場所。覚えることは多くあります。
業務が属人化する可能性がある
新しく採用した事務員に業務を任せきりにすると、その人にしか分からない業務が増えることがあります。採用しても、業務の見える化やマニュアル化を行わなければ、属人化は残ります。
選択肢1:事務員を採用する
事務員を採用する方法は、社内に常時対応できる人を置きたい場合に向いています。日常的な庶務や社内対応が多い会社では、有効な選択肢です。
採用が向いているケースは、次の通りです。
- 電話・来客対応が多い
- 紙書類や郵送対応が多い
- 社内からの細かな依頼が多い
- 現場に合わせた柔軟な対応が必要
- 毎日発生する庶務が多い
- 社内ルールを理解した人に長く任せたい
事務員を採用するメリットは、社内に継続的な担当者を持てることです。日々の細かな依頼や突発的な対応にも相談しやすくなります。
一方で、採用にはコストと時間がかかります。求人、面接、雇用契約、教育、給与、社会保険、定着支援。採用前後の負担も含めて考える必要があります。
採用する場合は、求人前に業務内容を明確にしましょう。
- 任せたい業務
- 毎日発生する業務
- 毎月発生する業務
- 必要なスキル
- 使用ツール
- 勤務時間
- 出社・在宅の条件
- 教育体制
- 確認者・相談先
「事務全般」ではなく、具体的な業務内容を示すことで、応募者も判断しやすくなります。
選択肢2:業務を整理して社内で分担する
業務を整理して社内で分担する方法は、採用前に現在の事務業務を見直したい会社に向いています。まず何にどれだけ時間がかかっているのかを把握する選択肢です。
事務業務を棚卸しすると、社長や現場メンバーが何となく抱えている業務が見えてきます。
整理したい業務は、次の通りです。
- 請求書作成
- 入金確認
- 経費精算
- 書類整理
- 電話対応
- 備品管理
- 契約書管理
- 顧客情報の更新
- 社内申請の確認
- 会議資料の作成
- 議事録作成
- タスク管理
これらを、次のように分類します。
- 社長が見るべき業務
- 社内メンバーで分担できる業務
- ツールで効率化できる業務
- 外部に任せられる業務
- やめられる業務
社内分担のメリットは、すぐに始めやすいことです。採用を待たずに、今ある業務の負担を少しずつ分散できます。
ただし、既存メンバーの本来業務を圧迫しないよう注意が必要です。誰が、いつ、何を行うのか。確認者は誰か。更新ルールはどうするのか。管理表やチェックリストで明確にしておきましょう。
選択肢3:事務代行・業務委託を活用する
事務代行・業務委託は、必要な業務を必要な分だけ外部に任せたい場合に向いています。採用よりも柔軟に始めやすく、業務量に波がある会社にも適しています。
依頼しやすい業務は、次の通りです。
- 請求書作成
- 入金管理表の更新
- 経費精算の確認
- 書類整理
- データ入力
- 顧客情報の更新
- 契約書管理の補助
- 営業資料の作成補助
- 議事録作成
- タスク管理の整理
- マニュアル作成補助
事務代行や業務委託のメリットは、採用活動を行わずに始めやすいことです。月末だけ、繁忙期だけ、特定の業務だけ。必要に応じて依頼できます。
一方で、外部に任せるには準備が必要です。依頼範囲、納期、確認者、情報共有方法、権限設定を明確にしておく必要があります。
会社のお金や個人情報に関わる業務を依頼する場合は、情報管理ルールを確認しましょう。法律や税務に関わる判断は、専門家にご確認ください。
3つの選択肢の比較表
事務員採用、社内分担、事務代行・業務委託は、それぞれ向いている状況が異なります。自社の状況に合わせて選びましょう。
| 選択肢 | 向いている会社 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 事務員を採用する | 日常的な庶務や社内対応が多い会社 | 社内に継続的な担当者を置ける | 採用・教育・定着に時間がかかる |
| 社内で分担する | まず業務量を整理したい会社 | すぐに始めやすい | 既存メンバーの負担増に注意 |
| 事務代行・業務委託を活用する | 必要な業務から柔軟に任せたい会社 | 採用せずに始めやすい | 依頼範囲と情報管理の設計が必要 |
どの方法がよいかは、会社の状況によって異なります。大切なのは、採用できるかどうかだけで判断しないことです。
どの選択肢を選ぶ前にも業務整理が必要
事務員採用、社内分担、事務代行・業務委託のどれを選ぶ場合でも、最初に必要なのは業務整理です。業務内容が曖昧なまま進めると、採用や外部活用がうまく機能しにくくなります。
整理する項目は、次の通りです。
- どの事務業務があるか
- どれくらいの頻度で発生するか
- 誰が担当しているか
- どのくらい時間がかかっているか
- 判断が必要な業務はどれか
- 作業として切り出せる業務はどれか
- 使用しているツールや書類は何か
- 情報の保存場所はどこか
- 確認者は誰か
この整理により、採用すべき人材像や、外部に任せられる業務が見えやすくなります。
たとえば、社内判断が多い業務は、外部に任せにくいかもしれません。一方で、入力、整理、管理表更新などは、外部化しやすい業務です。
事務員採用が難しいときの進め方
事務員採用が難しいときは、採用活動と並行して、業務整理や外部活用を検討することが重要です。採用できるまで待つのではなく、今の負担を減らす方法を考えましょう。
進め方は、次の通りです。
- 現在の事務業務を棚卸しする
- 社長や現場メンバーが抱えている業務を確認する
- 採用が必要な業務と外部に任せられる業務を分ける
- 社内で分担できる業務を整理する
- 採用条件を具体化する
- 必要に応じて事務代行や業務委託を試す
- 運用しながら体制を見直す
採用は中長期的な体制づくりです。一方で、今すぐ負担になっている業務は、別の方法で軽くできる場合があります。
まとめ:事務員採用が難しいときは、採用・分担・外部活用を比較する
事務員の採用が難しいときは、採用だけにこだわらず、社内分担や事務代行・業務委託も含めて比較することが大切です。
事務員を採用する方法は、社内に継続的な担当者を置きたい会社に向いています。社内で分担する方法は、まず業務量を整理したい会社に向いています。事務代行・業務委託は、必要な業務から柔軟に任せたい会社に向いています。
どの選択肢を選ぶ場合でも、最初に必要なのは業務の見える化です。現在の事務業務を棚卸しし、採用すべき業務、社内で分担できる業務、外部に任せられる業務を整理しましょう。
ご案内
事務員の採用が難しく、請求・経費精算・書類整理などのバックオフィス業務が社内で回りにくい企業様は、BPOサービス紹介ページをご覧ください。必要な業務を整理し、貴社に合った外部活用の形をご提案します。




